第1章 総則(第1条―第10条の2)/土地収用法


(昭和二十六年六月九日法律第219号)

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最終改正:平成一五年八月一日法律第138号

(最終改正までの未施行法令)
平成十四年十二月二十日法律第191号(未施行)
平成十五年六月二十日法律第100号(未施行)
平成十五年七月二十四日法律第125号(未施行)
 

   第1章 総則

(この法律の目的)
第1条  この法律は、公共の利益となる事業に必要な土地等の収用又は使用に関し、その要件、手続及び効果並びにこれに伴う損失の補償等について規定し、公共の利益の増進と私有財産との調整を図り、もつて国土の適正且つ合理的な利用に寄与することを目的とする。

(土地の収用又は使用)
第2条  公共の利益となる事業の用に供するため土地を必要とする場合において、その土地を当該事業の用に供することが土地の利用上適正且つ合理的であるときは、この法律の定めるところにより、これを収用し、又は使用することができる。

(土地を収用し、又は使用することができる事業)
第3条  土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる事業は、次の各号のいずれかに該当するものに関する事業でなければならない。
 道路法(昭和二十七年法律第180号)による道路、道路運送法(昭和二十六年法律第183号)による一般自動車道若しくは専用自動車道(同法による一般旅客自動車運送事業又は貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)による一般貨物自動車運送事業の用に供するものに限る。)又は駐車場法(昭和三十二年法律第106号)による路外駐車場
 河川法(昭和三十九年法律第167号)が適用され、若しくは準用される河川その他公共の利害に関係のある河川又はこれらの河川に治水若しくは利水の目的をもつて設置する堤防、護岸、ダム、水路、貯水池その他の施設
 砂防法(明治三十年法律第29号)による砂防設備又は同法が準用される砂防のための施設
三の二  国又は都道府県が設置する地すべり等防止法(昭和三十三年法律第30号)による地すべり防止施設又はぼた山崩壊防止施設
三の三  都道府県が設置する急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和四十四年法律第57号)による急傾斜地崩壊防止施設
 運河法(大正二年法律第16号)による運河の用に供する施設
 国、地方公共団体、独立行政法人緑資源機構、土地改良区(土地改良区連合を含む。以下同じ。)又は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が設置する農業用道路、用水路、排水路、海岸堤防、かんがい用若しくは農作物の災害防止用のため池又は防風林その他これに準ずる施設
 国、都道府県又は土地改良区が土地改良法(昭和二十四年法律第195号)によつて行う客土事業又は土地改良事業の施行に伴い設置する用排水機若しくは地下水源の利用に関する設備
六の二  地方公共団体又は新エネルギー・産業技術総合開発機構が臨時石炭鉱害復旧法(昭和二十七年法律第295号)によつて行う客土事業又は復旧工事の施行に伴い設置する用排水機若しくは地下水源の利用に関する設備
 鉄道事業法(昭和六十一年法律第92号)による鉄道事業者又は索道事業者がその鉄道事業又は索道事業で一般の需要に応ずるものの用に供する施設
七の二  独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設置する鉄道又は軌道の用に供する施設
七の三  本州四国連絡橋公団が設置する鉄道の用に供する施設
 軌道法(大正十年法律第76号)による軌道又は同法が準用される無軌条電車の用に供する施設
八の二  石油パイプライン事業法(昭和四十七年法律第105号)による石油パイプライン事業の用に供する施設
 道路運送法による一般乗合旅客自動車運送事業又は貨物自動車運送事業法による一般貨物自動車運送事業(特別積合せ貨物運送をするものに限る。)の用に供する施設
九の二  自動車ターミナル法(昭和三十四年法律第136号)第3条の許可を受けて経営する自動車ターミナル事業の用に供する施設
 港湾法(昭和二十五年法律第218号)による港湾施設又は漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第137号)による漁港施設
十の二  海岸法(昭和三十一年法律第101号)による海岸保全施設
十一  航路標識法(昭和二十四年法律第99号)による航路標識又は水路業務法(昭和二十五年法律第102号)による水路測量標
十二  航空法(昭和二十七年法律第231号)による飛行場又は航空保安施設で公共の用に供するもの
十三  気象、海象、地象又は洪水その他これに類する現象の観測又は通報の用に供する施設
十三の二  日本郵政公社が日本郵政公社法(平成十四年法律第97号)第19条第1項第1号から第5号までに規定する業務の用に供する施設
十四  国が電波監視のために設置する無線方位又は電波の質の測定装置
十五  国又は地方公共団体が設置する電気通信設備
十五の二  電気通信事業法(昭和五十九年法律第86号)第12条第1項に規定する第一種電気通信事業者がその事業の用に供する施設(同法の規定により土地等を使用することができるものを除く。)
十六  放送法(昭和二十五年法律第132号)による放送事業の用に供する放送設備
十七  電気事業法(昭和三十九年法律第170号)による一般電気事業、卸電気事業又は特定電気事業の用に供する電気工作物
十七の二  ガス事業法(昭和二十九年法律第51号)によるガス工作物
十八  水道法(昭和三十二年法律第177号)による水道事業若しくは水道用水供給事業、工業用水道事業法(昭和三十三年法律第84号)による工業用水道事業又は下水道法(昭和三十三年法律第79号)による公共下水道、流域下水道若しくは都市下水路の用に供する施設
十九  市町村が消防法(昭和二十三年法律第186号)によつて設置する消防の用に供する施設
二十  都道府県又は水防法(昭和二十四年法律第193号)による水防管理団体が水防の用に供する施設
二十一  学校教育法(昭和二十二年法律第26号)第1条に規定する学校又はこれに準ずるその他の教育若しくは学術研究のための施設
二十二  社会教育法(昭和二十四年法律第207号)による公民館(同法第42条に規定する公民館類似施設を除く。)若しくは博物館又は図書館法(昭和二十五年法律第118号)による図書館(同法第29条に規定する図書館同種施設を除く。)
二十三  社会福祉法(昭和二十六年法律第45号)による社会福祉事業若しくは更生保護事業法(平成七年法律第86号)による更生保護事業の用に供する施設又は職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第64号)による公共職業能力開発施設若しくは職業能力開発総合大学校
二十四  国、地方公共団体若しくはその組合、健康保険組合若しくは同連合会、国民健康保険組合若しくは同連合会、国家公務員共済組合若しくは国家公務員共済組合連合会若しくは地方公務員共済組合若しくは全国市町村職員共済組合連合会が設置する病院、療養所、診療所若しくは助産所、地域保健法(昭和二十二年法律第101号)による保健所若しくは医療法(昭和二十三年法律第205号)による公的医療機関又は検疫所
二十五  墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第48号)による火葬場
二十六  と畜場法(昭和二十八年法律第114号)によると畜場又は化製場等に関する法律(昭和二十三年法律第140号)による化製場若しくは死亡獣畜取扱場
二十七  地方公共団体又は廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第137号)第15条の5第1項に規定する廃棄物処理センターが設置する同法による一般廃棄物処理施設、産業廃棄物処理施設その他の廃棄物の処理施設(廃棄物の処分(再生を含む。)に係るものに限る。)及び地方公共団体が設置する公衆便所
二十八  卸売市場法(昭和四十六年法律第35号)による中央卸売市場及び地方卸売市場
二十九  自然公園法(昭和三十二年法律第161号)による公園事業
二十九の二  自然環境保全法(昭和四十七年法律第85号)による原生自然環境保全地域に関する保全事業及び自然環境保全地域に関する保全事業
三十  国、地方公共団体、都市基盤整備公団又は地方住宅供給公社が都市計画法(昭和四十三年法律第100号)第4条第2項に規定する都市計画区域について同法第2章の規定により定められた第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域又は準住居地域内において、自ら居住するため住宅を必要とする者に対し賃貸し、又は譲渡する目的で行う五十戸以上の一団地の住宅経営
三十一  国又は地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所、試験所その他直接その事務又は事業の用に供する施設
三十二  国又は地方公共団体が設置する公園、緑地、広場、運動場、墓地、市場その他公共の用に供する施設
三十三  日本原子力研究所が研究の用に供する施設
三十四  核燃料サイクル開発機構が核燃料サイクル開発機構法(昭和四十二年法律第73号)第24条第1項第1号に掲げる業務の用に供する施設
三十四の二  独立行政法人水資源機構が設置する独立行政法人水資源機構法(平成十四年法律第182号)による水資源開発施設及び愛知豊川用水施設
三十四の三  独立行政法人宇宙航空研究開発機構が独立行政法人宇宙航空研究開発機構法(平成十四年法律第161号)第18条第1項第1号から第4号までに掲げる業務の用に供する施設
三十五  前各号の一に掲げるものに関する事業のために欠くことができない通路、橋、鉄道、軌道、索道、電線路、水路、池井、土石の捨場、材料の置場、職務上常駐を必要とする職員の詰所又は宿舎その他の施設

(収用し、又は使用することができる土地等の制限)
第4条  この法律又は他の法律によつて、土地等を収用し、又は使用することができる事業の用に供している土地等は、特別の必要がなければ、収用し、又は使用することができない。

(権利の収用又は使用)
第5条  土地を第3条各号の一に規定する事業の用に供するため、その土地にある左の各号に掲げる権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。
 地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利その他土地に関する所有権以外の権利
 鉱業権
 温泉を利用する権利
 土地の上にある立木、建物その他土地に定着する物件をその土地とともに第3条各号の一に規定する事業の用に供するため、これらの物件に関する所有権以外の権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。
 土地、河川の敷地、海底又は流水、海水その他の水を第3条各号の一に規定する事業の用に供するため、これらのもの(当該土地が埋立て又は干拓により造成されるものであるときは、当該埋立て又は干拓に係る河川の敷地又は海底)に関係のある漁業権、入漁権その他河川の敷地、海底又は流水、海水その他の水を利用する権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。

(立木、建物等の収用又は使用)
第6条  土地の上にある立木、建物その他土地に定着する物件をその土地とともに、第3条各号の一に規定する事業の用に供することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの物を収用し、又は使用することができる。

(土石砂れきの収用)
第7条  土地に属する土石砂れきを第3条各号の一に規定する事業の用に供することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの物を収用することができる。

(定義等)
第8条  この法律において「起業者」とは、土地、第5条に掲げる権利若しくは第6条に掲げる立木、建物その他土地に定着する物件を収用し、若しくは使用し、又は前条に規定する土石砂れきを収用することを必要とする第3条各号の一に規定する事業を行う者をいう。
 この法律において「土地所有者」とは、収用又は使用に係る土地の所有者をいう。
 この法律において「関係人」とは、第2条の規定によつて土地を収用し、又は使用する場合においては当該土地に関して地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借若しくは賃貸借による権利その他所有権以外の権利を有する者及びその土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する者を、第5条の規定によつて同条に掲げる権利を収用し、又は使用する場合においては当該権利に関して質権、抵当権、使用貸借若しくは賃貸借による権利その他の権利を有する者を、第6条の規定によつて同条に掲げる立木、建物その他土地に定着する物件を収用し、又は使用する場合においては当該物件に関して所有権以外の権利を有する者を、第7条の規定によつて土石砂れきを収用する場合においては当該土石砂れきの属する土地に関して所有権以外の権利を有する者及びその土地にある物件に関して所有権その他の権利を有する者をいう。ただし、第26条第1項(第138条第1項において準用する場合を含む。)の規定による事業の認定の告示があつた後において新たな権利を取得した者は、既存の権利を承継した者を除き、関係人に含まれないものとする。
 この法律において、土地又は物件に関する所有権以外の権利を有する者には、当該土地若しくは物件又は当該土地若しくは物件に関する所有権以外の権利につき、仮登記上の権利又は既登記の買戻権を有する者、既登記の差押債権者及び既登記の仮差押債権者が含まれるものとする。
 前項の規定は、鉱業権、漁業権又は入漁権に関する権利を有する者について準用する。この場合において、同項中「仮登記」とあるのは「仮登録」と、「既登記」とあるのは「既登録」と読み替えるものとする。

(起業者の権利義務の承継)
第9条  合併その他の事由に因り事業の承継があつた場合においては、この法律の規定によつて従前の起業者が有していた権利義務は、当該事業を承継した者に移転する。

(手続の承継)
第10条  起業者、土地所有者又は関係人の変更があつた場合においては、この法律又はこの法律に基く命令の規定によつて従前の起業者、土地所有者又は関係人がした手続その他の行為は、新たに起業者、土地所有者又は関係人となつた者に対しても、その効力を有する。

(取得した土地の管理)
第10条の2  起業者は、第26条第1項の規定によつて告示された事業の用に供するため取得した土地については、公共の利益に沿うように適正な管理を行なわなければならない。
 起業者は、前項に規定する土地を、同項に規定する事業の用以外の他の用に供する工作物その他の施設の用に供するために利用し、又は利用させるときは、当該土地の周辺の環境を阻害しないよう配慮しなければならない。

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第1章 総則(第1条―第10条の2)/土地収用法